フーリエ変換赤外分光器

フーリエ変換赤外分光器FT-IRを所有しています(JASCO FT/IR-4100)。この装置は、分子の振動を測定する装置で、分子の種類によって固有振動数が異なる特徴を利用し、どんな分子が合成できたのか評価するためのものです。簡単にいえば、大小大きさの違うワイングラスをたたくと音の高さ(周波数)が違うように、分子も大きさ(正確には、原子量とバネ定数)の違いによって異なる周波数で振動します。その振動数に合ったエネルギーの光(分子振動は赤外線のエネルギー領域)を照射すると吸収が起こります。つまり、どんな光を吸収したかを測定することで、どんな分子が合成できたか分かってしまうのです。紫外可視のエネルギー領域の吸収は一般的に幅広いピークを与えるので、その情報だけで分子を同定することは困難ですが、赤外領域の分子振動の吸収ピークはシャープなことが多く、分子を決定(同定)することも可能なのです。

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