動的光散乱法

動的光散乱法の概念図

十代研究室に新しく導入された動的光散乱法Dynamic Light Scattering (DLS)の実験装置を紹介したいと思います。DLSはナノ粒子の粒径を測定する装置になります。溶液中のナノ粒子にレーザー光線を照射すると光がナノ粒子に当たり散乱されます。その散乱光を検出します。一方、溶液中のナノ粒子はブラウン運動をしているため、ナノ粒子は絶えず動いていることになります。そのため、散乱されるレーザー光の強度は時間的に変動することになります。(厳密には、スリットで切り出した散乱光を検出する領域のナノ粒子の数が変動するだけでなく、ナノ粒子間の相対的な距離も変動し、光が干渉することで、散乱強度が変動します。)

ブラウン運動により変動する散乱光の強度は、ブラウン運動が速いほど早く変動し、ブラウン運動が遅いと、ゆっくりと変動することになります。そこで、散乱光の時間変化に対して時間相関関数を計算すると指数関数的な減衰曲線が得られ、ブラウン運動が速い場合は早く減衰する曲線、遅い場合はゆっくり減衰する曲線になります。ブラウン運動の速さは溶液の粘性率、温度、そして、粒子サイズに依存するので、減衰の仕方からナノ粒子の粒径を求めることができるのです。

散乱光の時間変動(上)と時間相関関数(下)

ナノの研究者としてブラウン運動の研究を始めた身としては、ぴったりの装置なので、これから、どんな結果を生み出すことができるのか楽しみで仕方ありません。最後に購入した大塚電子(株)のDLS-8000HLの写真を載せて、この記事をしめたいと思います。

DLS-8000HL