ワイングラスの音の共鳴破壊実験(オープンキャンパス)

ワイングラスを音の共鳴現象で破壊する実験は、このブログの人気コンテンツです。ただ、最近、更新していなかったので、最近の動向を伝えたいと思います。まずは、過去のグラス破壊実験の記事へのリンクです。
音でワイングラスは割れるのか?(1)
音でワイングラスは割れるのか?(2)
音でワイングラスはわれるのか?(3)

ワイングラス破壊と3Dプリンタ

最初に記事を書いてから10年以上経っているのですが、細かなアップデートを繰り返しながら、現在に至っています。最初の年は、カリクリスタルのワイングラスがダイソーで100円で売っていたのですが、翌年から200円に値上がりをして、100円のソーダガラスでも割れるセットアップを目指していたのですが、打率良く割るのは難しく、200円のカリクリスタルを買い続けていました。その後も授業中の演示実験やオープンキャンパスなどで何度も音でワイングラスを割っています。昨日の7月13日も文理学部のオープンキャンパスがあり、研究室の学生にワイングラスを何個も音で割って、高校生に物理学への興味を喚起してもらいました。

過去の記事と比べると、ワイングラスがシャンパン用になっています。これは、赤ワイン用でも白ワイン用でもシャンパン用でも、カリクリスタルのワイングラスなら問題ないのですが、たまたま、大量の買えるのがシャンパン用だったので、それを割っています。
次に大きく変わったところとして、スピーカーが初期モデルとは代わっています。現在は、TOAのドライバーユニットTU-750を使っています。オープンキャンパスでワイングラスを何度も実験をしていると最初に使っていたホーンドライバーCPD25IIは、ワイングラスを割るよりもスピーカー自身もある程度の頻度で壊れます。その都度交換用のダイヤフラムを付け替えて実験をしていたのですが、このTOAのTU-750に代えてからはスピーカーの方が先に壊れることは無くなりました。スピーカーの値段としては高いですが、ダイヤフラムを何度も交換していたことが無くなりランニングコストとしては、TOAのTU-750の方が良いかと感じています。

TOAのTU-750に代えてからも、初期モデルのコンセプトである共鳴管は健在で、3Dプリンタでドライバーユニットのネジ部分に取り付けることができる共鳴管(パイプ)を作成しています。このおかげでドライバーを壊れずに実験が出来ているのかもしれません。
ただ、ここ2~3年ほど、このセットアップで割ることが出来ないカリクリスタルのワイングラスが出てきました。最初の年の値上げから、近年の物価高騰でワイングラスの質が変わったのか、共鳴現象により音波をしっかりワイングラスの振動として伝えることはできているのですが、最後の破壊に到らない、粘りの強いグラス個体が増えてきました。いかがなものかと、もっと大きな音が必要なのかと使っているアンプの型番を調べてみると

Douk Audio G4とあり、調べると中国製のモノラルのアンプで、100Wまで対応していました。ちなみにTOAのTU-750の定格は50Wでしたので、フルパワーでアンプを出力するとスピーカーが壊れる計算になります。共鳴管がスピーカーの破損を防いでいたのではと感謝しながら、アンプとスピーカーのチューンナップは限界だろうと考え、これからは、割りやすいワイングラスが他にないか探索を始めたいと思います。

9月21日(日)には、文理学部の秋季オープンキャンパスがあります。秋のオーキャンでもワイングラスを割る実験をする予定ですので、是非、文理学部へ、また、物理学科のブースにお立ち寄りください。