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3Dプリンタで3Dプリンタを作る

研究室に3Dプリンタがあることを以前紹介したことがあるが、その3Dプリンタを使って、もう1台3Dプリンタを作成しました。

 

青色の部品は、別の3Dプリンタで印刷したパーツであり、アルミフレームなど様々なパーツを繋ぎとめる役割を果たしています。この3Dプリンタで3Dプリンタを作るという作業は、RepRapプロジェクトと呼ばれており、3Dプリンタの世界では有名なようです。
3Dプリンタを作ろうと思ったきっかけは、マグネトロンスパッタ装置に導入する部品を3Dプリンタで印刷しているのだが、真空内に入れるためプラスチックパーツの細かな修正が必要で、細かな調整ができる3Dプリンタを必要としていたからです。随分以前から制作に取り掛かっていたのですが、ようやく満足のいく3Dプリンタへと完成したので、ホームページで公開しました。

作成したのは、デルタ型3Dプリンタと呼ばれるタイプであり、シンメトリックな3本の支柱の上をアームが動くことで、フィラメントを吐き出すノズルが、3次元空間上を自由に移動できます。参考にした装置は、Kosselというタイプになります。3Dプリンタでは、ステッピングモータを動かしたり、温度をモニターしながらヒーターで加熱をしたり、数多くの制御が必要です。それを、Arduinoのマイコンでおこなっています。買ってきた3Dプリンタでは、その仕組みを理解することは大変ですが、3Dプリンタをゼロから制作したらマイコン制御などの知識も深まり、教育的効果もあると感じます。

 

学会シーズン

大学の夏季休暇もあと1週間となり、来週からは講義が始まりますが、講義のない夏休みの間に学会に出席・発表し、研究の動向と今後の方針を考える機会としています。この夏は、8月中頃に中国の杭州市で開かれたISSPICと9月に入り先週に福岡で開催された分子科学総合討論会に行ってきました。

杭州は西湖の湖畔にある風光明媚な古都であり、学会は超高級ホテルでした(宿泊したのは、普通のホテル)。さすがに高級ホテルではドアマンに至るまで英語でコミュニケーションをとれたのですが、レストランに入っても、切符を買うときも、英語が通じず苦労しました。語学が堪能ならもっと楽しめたのではと(美味しいものを食べたり・・・)

 

続いて福岡での国内学会です。こちらは言葉の問題はなく・・・・(ポスター発表している学生に慣れない言葉(専門用語)の問題はあったかもしれませんが)・・・美味しいものを堪能できました。念のために伝えておきますが、美味しいものを食べに福岡に行ったのではなく、学会に参加・発表するために福岡に行ったのです。学会での細かな話を伝えても意味がないと思っているので、学会終了後の夜の行動話になってしまうのです・・・

 

山中湖でバーベキュー

今年の研究室の夏合宿は文理学部で管理している研修施設である山中湖セミナーハウスでした。学生は1泊2食付きで¥3500で利用できるので(教職員でも¥4500)、2泊3日のゼミ合宿をするのには最適な施設です。

合宿最終日に撮影する恒例の全体写真と食堂での懇親会の様子です。ゼミ合宿として全員(?)研究のプレゼン発表をやっているのですが、その写真は今回撮り忘れたので、学生たちの面目を保つため勉強をするためのゼミ合宿であることを文章で申し添えておきます。

山中湖セミナーハウスですが、昨年までは施設内でバーベキューをすることができたのですが、運用会社が変更になったためか(文理学部が委託している業者が変わった)、今年は、バーベキューが不可になっていました。こんなことでくじける様では、研究を進めることはできず、山中湖畔にあるバーベキューレストランに馳せ参じました。食べて飲んで(私は車の運転があったのでノンアルコールビールでしたが)、後片付けをしなくてよいのは、結果オーライで良かったのではないかと思いました。

 

今年度の飲み会とおまけ動画

研究が忙しく、なかなか飲み会を企画できなかったのですが、ようやく、研究室のメンバーが揃って親睦を深めることができました。その時の写真です。(ホームページへのアップも遅くなっており、飲み会から時間も経っているのですが・・・)

夏休み中は、研究室合宿もあり、そこでは、しっかりとお酒を・・・いや、親睦を深めたく思います。
これだけの情報だと物足りないので、おまけとして、最近撮影した動画も公開したいと思います。研究の関係でハイスピードカメラを購入したため、そのカメラでワイングラスを音の共鳴現象で破壊する瞬間を撮影しました。携帯電話でも1秒間に960コマも撮影できる機種がテレビCMなどで流れていますが、購入したハイスピードカメラも1秒間に最大960コマ(フレーム)撮影できるものです。民生品の性能が向上することで安価な予算で科学研究を進めることができるのは好ましいことで、積極的に活用していきたく考えています。

ちなみにワイングラスを破壊するデモンストレーションは夏季オープンキャンパスでも実施しましたが、秋季オープンキャンパス(9月30日)でも行います。興味のある方は文理学部を訪れて下さい。

Python猛勉強中

これまで様々なプログラミング言語を使用してきたが、最近、Pythonが必要となり、使いこなそうと努力をしています。これまでの言語使用歴を簡単に述べると・・・

学部4年 N88BASIC(実験装置が古いPC9801で、まだ、動いていたので)
大学院~ポスドク LabVIEW(画面上で配線を繋げる特殊なプログラミング)
助手・助教 科学計算を始めたのでLinuxが必要となり、シェル関係を少し
准教授・教授
研究室を運営する状態になって、右往左往しています。少ない研究費を有効活用するために、なるべくフリーソフトで実験装置の制御系のプログラムを自作しています。
ラマン分光の実験装置 Visual C++
スパッタリングの装置 RaspberryPi上で C言語 + Qt (GUIで使えるように)
最近、ブラウン運動の研究が面白く、その解析プログラムを作成し、自動化を行っています。ブラウン運動とは顕微鏡で観測した1ミクロン程度のコロイドの不規則な動きであり、デジカメで撮影した動画ファイルを解析することになります。動画の解析には、有名なOpenCVというライブラリが存在し(デジカメでの顔の自動認識などを簡単に実装できます)、OpenCVを使うためにC++をまず使いました。ただ、SEに就職が決まった学部生が企業ではJavaを使用すると聞き、Javaで動くように移植し、これまで、Java上でブラウン運動の解析プログラムをチューンしてきました。(画像をOpenCVで解析するはずが、既存のライブラリーでは満足がいかなくなり、基本コードを一から書きはじめたら、OpenCVを呼び出す箇所が無くなっていたというオチまでありますが・・)

そんなプログラム言語に対して必要なときに必要な言語をつまみ食いしてきた感がありますが、ちょうど去年は、学部ホームページのリニューアルの仕事も行っていたので、ホームページを作成する際に使用するPHPやJavaScriptにまで詳しくなっていたりします。

まさかPythonまで手を出すと思っていなかったのですが、ブラウン運動を解析する良いプログラムをネット上で見つけたので、アルゴリズムの方針を見ると我々がJavaで作ったものと方向が違い、こちらの方が良いだろうと感じました。(解析時間は掛かるが、多くの統計データを抽出できそうなアルゴリズムだった。)そのプログラムは、IDL か MatLab で書かれており、 Pythonに移植したバージョンもありました。この中で無料で使えるのは、Pythonだけであり、Pythonを始める大きな動機となっています。

まだまだ始めたばかりであり、オフィシャルのPythonをWindowsにインストールして、pipで必要なライブラリーを集めるのが良いのか、Anacondaで一機に科学計算ルーチンをインストールした方が楽なのか、いろいろ試しているところですが、Javaで作ったソフトを超える程度までPythonも使えるようになったきたので、まずは、ホームページでPython推しの中間報告をしました。

Pythonでのブラウン運動の解析画面

卒業式(巨大プレゼント)

更新が遅くなってしまいましたが、1週間前の3月25日(日)に日本大学の卒業式があり、文理学部で学位記の伝達式を行いました。

十代研究室からは、学部生8名が卒業し、大学院生1名が修了しました。4月から社会人として活躍して貰わなければならないのですが(1名は大学院進学ですが)、そのうち2名は公立学校の教員です。物理学科から公立の教員採用試験に現役で受かるのは毎年一人程度だったのですが、去年も今年も十代研だけで2名と、明らかに教職センターの効果が表れています。他の研究室を入れるとさら増え、非常勤として教員になる人物を加えると・・・・

その後、新宿某所で卒業のお祝いをしたのですが、学生たちからプレゼントを貰いました。例年になく大きな(サイズが)プレゼントだったのですが(過去7年間で最大級)、中身は、珈琲メーカーでした。今日もその珈琲をいただきながら、研究室で仕事をしています。

 

修論発表会と研究室引継ぎ

文理学部で物理学科が属する大学院は、日本大学大学院総合基礎科学研究科相関理化学専攻となります。この専攻は物理学科以外に生命科学科と化学科の3学科から構成されており、先日、その専攻の修士論文発表会が行われました。幅広い研究分野の発表が集まるので、自分自身の知識を広げる非常に良い機会です。(ただ、本当に幅広く、錯体化学や脳神経科学の研究もあれば、超伝導やブラックホールまで、はっきり言って理解度が足りない研究分野ばかりです・・・)

修論の発表そして提出が終われば、次は、研究室のメンバーが入れ替わる時期です。今年の十代研究室も例年通り、学生の引継ぎは飲み会だけでした。大学院に進学する学生が少ないので、上下での学生の交流は、この機会だけなのですが、研究を頑張ろうという気分が伝染して貰えればと願いします。

今年は私の悪口を2次会で言えるように大勢のメンバーとは別行動をしたのですが、かなりの人数が2次会に行ったと聞いたので、来年度もしっかり飲み会を開き交流を図らなければと思っております。

ウイスキーの物理学

今回は研究の話です。
約1年前、文理学部から出版した新書「知のスクランブル」(ちくま新書)の中に新しくスタートさせた研究テーマを一般の方にも分かりやすく説明するため”ウイスキーの物理学”としてお酒の話に絡めて執筆しました。
その研究テーマが、ようやく論文という形になって公開することができましたので、内容を簡単に説明したいと思います。

“Brownian motion probe for water-ethanol inhomogeneous mixtures”
Kazuki Furukawa, Ken Judai, The Journal of Chemical Physics, 147, 24452 (2017).

ウイスキーをはじめとする蒸留酒の成分である水とエタノールですが、具体的にどのように分子が混じり合っているのか未だに分かっていない問題なのです。この問題に対して、新しい実験的手法を開発したのが、今回の論文の主旨です。
こちらは水の中に浮かべた1ミクロンの粒子の10秒間の軌跡です。ブラウン運動と呼ばれ、乱雑に予測不能な動きを示します。1ミクロンの粒子に水分子が熱運動で乱雑に衝突するので、このような動きを示すのですが、ブラウン運動を詳細に観測すれば、分子の動き、水とエタノールの分子レベルでの混ざり方に繋がると考え、研究をスタートさせたのです。
まだまだ、水とエタノールの混ざり方の解明にはたどり着いていませんが、混ざり方が1ミクロンといった巨視的に(分子から見たら)不均一であることが判明しました。

研究の話ばかりだと息が苦しくなるので、小休止。今回の論文は、私にとって色々新しいことに取り組んだものでした。新しい実験手法を開発したのですが、これまでの自分の研究を1本も参照していない論文です。普通は研究の流れから何本か過去の自身の研究をリファレンス(参照)するのですが、全く新しい自分の研究テーマであり、真のオリジナルペーパー、これから研究を広げるぞと考え執筆しました。また、物理学科に異動になって、LaTeXで書いた最初の論文でもあります。こんなに数式を書くことが無かったためMS Wordで論文を書いていたのですが、研究内容が変わったため数式表現の得意なLaTeXを使うようになりました。ようやく自分を物理学者と名乗ってもよいのではと思えるようになりました。

 

研究室選びと研究室の心得

ここ数か月、文理学部のホームページ改修作業に追われていたため、自身のWEBページ更新が滞っていました。お詫びをこめて、リニューアルした学部ホームページのリンクを貼っておきます。

日本大学文理学部リニューアルホームページ

さて、今回は、研究室分けの時期でもあるので、研究室の選び方と心得として記事を書いてみたいと思います。物理学科では、12月に3年生を対象として、研究室説明会と、研究室の見学期間を設けて、年明けに研究室の配属希望調査を集計します。大学4年の1年間を大学生活集大成として研究室で、研究を行い卒業研究としてレポートにまとめるのですが、やはり、どの研究室に配属になるのかは非常に重要だと感じます。大学教員(特に理系)は個性的な人間が多く(私を含めて)、一癖も二癖もあるのが普通です。理系の研究室出身であれば、その教員とうまくやってきた証だから、企業など社会に出ても他人と協調して物事を進める技量は身についていると考えても良いかもしれません。そういう観点から、研究室を選ぶ際に、研究室の教員との相性を考えるのも悪くない選択だと思います。一般的には、研究内容で興味のある研究室に進むのですが、大学の教員は、研究者ですから、自分の好きな研究をしています。つまり、それぞれが、本当に楽しいと思って研究をしているのです。その楽しさは、すぐには分からないかもしれませんし、仮に希望の研究室に配属にならなかったとしても、その研究を1年間、もしくは、院も含めた3年間、没頭してみれば、その楽しさを感じるようになるのではと思います。

少しでも研究室見学の雰囲気を出そうと実験室の写真をアップします。

この実験室で研究を続けるのですが、研究室に配属になった4年生をみてきて思うところに、研究室での実験と3年生までの学生実験が本質的に異なることを理解していないと感じます。具体的には、3年生までの学生実験は、テキストがあり、そのテキスト通りに実験をすれば、事前に確かめてある実験結果が得られる訳ですが、研究室での実験は全く異なります。うまく行くか、どうかわからない実験をするのです。むしろ、大半が失敗する実験です。研究を進める上での目標があり、その目標に向かって試行錯誤するのですから、失敗して当然(目標が達成できないことが、ほとんど)であり、どれだけ手を動かして、どうすれば目標を達成するのか考え抜いていくのです。実験が失敗に終わってショックを受けている学生に言いたいことといえば、ショックに浸っている暇はないこと、次の考え抜いた実験がうまくいくと信じきれる事、それを失敗しても、次から次へとアイデアを生み出すこと、こんな環境が、理系の研究室だと思います。

超ポジティブシンキングな学生が研究室を希望することを願います。

Windows Updateでファイル共有エラー

【ファイル共有エラー 80070035 対応の忘備録】

研究室の実験データの取り扱いに関して説明します。実験装置の多くにコンピュータが接続されており、パソコン上のデータとして実験結果が蓄積されます。実験ノートには、保存フォルダと保存名を記載して、データが溜まっていくのだが、そのバックアップと利便性を兼ねて、ファイルサーバーも研究室では運用しています。
実験データは、測定パソコンのハードディスクに保存されていくのですが、ファイルサーバーにコピーを保存することで、バックアップを行い、また、研究室のパソコンからファイルサーバーにアクセスすることで、測定パソコンがシャットダウンしていても、いつでも実験データにアクセス可能としています。

しかし、そのファイルサーバーで問題が生じました。

Windows10のFall Creators Updateを適応したら、Editionの種類により、上記のようにファイルサーバーにアクセスできなくなってしまいました。BuffaloとSynologyのNASを使用してファイルサーバーにしていたのですが、そのうちSynologyへのアクセスに失敗してしまいます。
原因をいろいろ調べていたのですが、セキュリティポリシーにより非認証のゲストアクセスをブロックしていることが判明しました。本来であれば、その原因をしっかり見極め、設定ファイルを修正して対応するべきところですが、実験データ保存用のファイルサーバーであり、研究の停滞は許されず、安直な回避方法を取りましたので、記録しておきます。

ファイル共有エラーのサーバー:Synology DS216j
アクセスするパソコン:Windows10 Enterprise 64bit

コマンドスクリプトで、ユーザー名を指定してアクセスすると、アクセスできたので、そのスクリプトをスタートアップに登録するという回避方法です。まずは、スタートメニューを右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選び
shell:startup
を打ち込み、スタートアップのフォルダを表示させる。

そこに、Windowsバッチファイルとして、
net use \\DS216j “” /user:guest
と打ち込みました。これは、サーバーDS216jに対して、ゲストユーザーでパスワードなしでアクセスする設定です。これを実行することで、ファイルサーバーにアクセス可能になったのですが、やっぱり安直な回避方法だなぁと思います。そのうち、設定ファイルをしっかり探したいです。