月別アーカイブ: 2015年4月

ナノでは色が変化する。

ナノサイエンス・ナノテクノロジーの「ナノ」という言葉が、非常に小さいサイズの世界であることを前回の投稿で説明しましたが、そのナノを研究する意義について今回話したいと思います。
ゴールド(金)は何色ですか?
普通の人は金色と答えるでしょう。しかし、ナノの研究者は、どんな大きさ・形のゴールドですかと逆に質問します。ゴールドという元素を指定するだけでは答えることができないからです。実は、金のナノ粒子は、金色をしていないのです。

話が逸れるが、ゴールドの金色も興味深い色で、一般の金属とは異なる色合いをしています。これは、金原子の電子軌道に対して、相対性理論の補正をして初めて現れる色合いだそうです。ゴールドを眺めながら、非常に小さな金原子を想像し、その周りを回る電子のスピードが光速に近く、宇宙空間を記述する相対論の効果が表れるのだなぁ~~と意味深な感慨にふけることもあります・・・・(怪しい??)

さてさて、話を戻して、ゴールドが金色をしているのは、指輪や小判など普通の大きさの金の塊のときの話であって、ゴールドがナノ粒子になると金色ではなく、赤色に変化します。この赤色は、古くからステンドガラスなどに応用されており、ガラスの中に金をほんの少し加えると綺麗な赤色に色づくことが経験的に知られていました。ガラスの中で金がナノサイズの大きさで分散しているためだと現在では分かっていますが、ガラス職人の間では、金赤(きんあか)と呼ばれているそうです。

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金のディスク金とナノ粒子の溶液

 

金のナノ粒子が赤色へと変化するように、多くの物質がサイズをナノへと変化することで、色(光学特性)・電気伝導性・磁性など様々な物性が変化します。つまり、人類に有益な物質を作成しようと考えたときに、物質を混ぜるだけでなく、そのサイズを制御することで、新しい性質を獲得することができるのです。ナノとは非常に小さな世界であるため、その制御は困難でもありますが、チャレンジする甲斐のある分野でもあるのです。

 

工作室(物理学科)

このコーナーでは、十代研究室で所有している装置を紹介するだけで、物理学科や文理学部で所有している装置も紹介していきたいと思います。今回は、ずばり、「旋盤」です。旋盤とは、まず、写真を見てください。

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町工場にありそうな工作機械の1つです。物理学科では、学科共通の設備として工作室を管理しており、旋盤、フライス盤、ボール盤、バンドソーなどの工作機械がいつでも使用可能な状態となっております。物理の実験装置は自作の部分が多く、新しい実験をするために改造・改良することなどは、日常茶飯事です。私自身としては、ドイツ留学時代はテクニシャンと呼ばれる機械工専門の人物がラボに居たため、彼にこんなの作ってと頼めば(ドイツ語しかできないところが苦労したが・・)、翌日には出来ているという非常に恵まれた環境でした。その後の国立研究所のときは、これまた、装置開発室という組織があり、機械工作に関しては恵まれた(自分でやらなくても十分な)環境でした。日大文理学部ではというと、学科で工作機械を管理しているので、これも他の人に気兼ねなく使用できるので恵まれた研究環境であり、学生時代に培った旋盤の技術が錆びついていないかジュラルミン加工を行いました。
結果は、コンマ1mmの精度での可能を難なくこなせ、自分で設計した装置を自分で工作し、非常に満足した時間でした。あとは、この装置で最高の実験結果を得るだけ・・・・・と考えています。

 

音でワイングラスは割れるのか?(3)

前回前々回の記事はこちらから

今回は具体的な音でワイングラスを割る手順を述べます。
偉そうなことを書いても、所詮、非常に安いスピーカー(ホーンドライバー)ですから限界を感じることも多いです。そうぉ~、ワイングラスもちゃんと割れやすいワイングラスを選んであげる必要があります。

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こちらのグラスは、ダイソーで購入したワイングラスです。音が響く、グラスをたたいて音の余韻がもっとも長いグラスを選びました。実は、ここが重要で、音が長く響いているということは、それだけ音のエネルギーを蓄えることができるので、今回の実験にピッタリなグラスといえます。
このグラスだけ特別、音の余韻が続くなぁと思っていたのですが、それもそのはず、ガラスの材質が他とは異なっていました。一般的なガラスは、ソーダガラスと呼ばれるものですが、こちらのワイングラスは、カリクリスタルガラスで出来ています。こんな材質のワイングラスが100円ショップで売っていることが驚きであり、今後のデモンストレーション用に買いだめしました。

ワイングラスが決まったら、次はその共鳴周波数に合うように音を照射します。耳が良い人なら、ワイングラスを叩いて鳴らし、その音と同じ周波数(音の高さ)を出せばよいのですが、音痴な私にもできる方法をとりました。パソコンで共鳴周波数を調べる方法です。

WaveSpectra (フリーソフト)

マイク端子にマイクロフォン(なければイヤホンでも可)を繋ぎ、このソフトを起動。ワイングラスを叩くとその音が周波数のピークの山として表示されます。フーリエ変換のサンプリング数を少し上げて、分解能1Hz程度で測定すると良いと思います。ダイソーのワイングラスは800Hz前後(5%程度の個体差があります)

 

さて、共鳴周波数を決まったので、最後は音を照射する段階です。先ほどの周波数を決定するスペクトルアナライザのプログラムを作成された方が、こちらも重要なファンクションジェネレイターの代わりができるソフトを作成してくれています。

WaveGene (フリーソフト)

このソフトでワイングラスと共鳴する周波数のサイン波を発生させ、イヤホン端子をアンプに接続します。アンプは手元にあった中国製のTA2020-20のICを使ったデジタルアンプを用いました。アンプの出力は、4Ωで25W、8Ωなら10W少し程度でしょうか、ある程度パワーのあるアンプですが、べらぼうにハイパワー(高価)では、ありません。
注意:非常に大きいな音が出るので耳栓をして実験をすること
少し音を出して、グラスの中にストローを入れておくと、共鳴によってグラスが振動するとストローも振動します。その振動を元に共鳴周波数を微調整して、最後は、アンプのボリュームを上げていくと・・・・・