音でワイングラスは割れるのか?(3)

前回前々回の記事はこちらから

今回は具体的な音でワイングラスを割る手順を述べます。
偉そうなことを書いても、所詮、非常に安いスピーカー(ホーンドライバー)ですから限界を感じることも多いです。そうぉ~、ワイングラスもちゃんと割れやすいワイングラスを選んであげる必要があります。

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こちらのグラスは、ダイソーで購入したワイングラスです。音が響く、グラスをたたいて音の余韻がもっとも長いグラスを選びました。実は、ここが重要で、音が長く響いているということは、それだけ音のエネルギーを蓄えることができるので、今回の実験にピッタリなグラスといえます。
このグラスだけ特別、音の余韻が続くなぁと思っていたのですが、それもそのはず、ガラスの材質が他とは異なっていました。一般的なガラスは、ソーダガラスと呼ばれるものですが、こちらのワイングラスは、カリクリスタルガラスで出来ています。こんな材質のワイングラスが100円ショップで売っていることが驚きであり、今後のデモンストレーション用に買いだめしました。

ワイングラスが決まったら、次はその共鳴周波数に合うように音を照射します。耳が良い人なら、ワイングラスを叩いて鳴らし、その音と同じ周波数(音の高さ)を出せばよいのですが、音痴な私にもできる方法をとりました。パソコンで共鳴周波数を調べる方法です。

WaveSpectra (フリーソフト)

マイク端子にマイクロフォン(なければイヤホンでも可)を繋ぎ、このソフトを起動。ワイングラスを叩くとその音が周波数のピークの山として表示されます。フーリエ変換のサンプリング数を少し上げて、分解能1Hz程度で測定すると良いと思います。ダイソーのワイングラスは800Hz前後(5%程度の個体差があります)

 

さて、共鳴周波数を決まったので、最後は音を照射する段階です。先ほどの周波数を決定するスペクトルアナライザのプログラムを作成された方が、こちらも重要なファンクションジェネレイターの代わりができるソフトを作成してくれています。

WaveGene (フリーソフト)

このソフトでワイングラスと共鳴する周波数のサイン波を発生させ、イヤホン端子をアンプに接続します。アンプは手元にあった中国製のTA2020-20のICを使ったデジタルアンプを用いました。アンプの出力は、4Ωで25W、8Ωなら10W少し程度でしょうか、ある程度パワーのあるアンプですが、べらぼうにハイパワー(高価)では、ありません。
注意:非常に大きいな音が出るので耳栓をして実験をすること
少し音を出して、グラスの中にストローを入れておくと、共鳴によってグラスが振動するとストローも振動します。その振動を元に共鳴周波数を微調整して、最後は、アンプのボリュームを上げていくと・・・・・